当事者同士での支え合いの場〜自助グループ
死別後しばらくの間、多くの親御さんにみられる心理的反応として、「妊婦や子連れの家族を目にしたり、亡くした子供のことを話そうとすると、あの子がいない、という喪失の現実に直面し、圧倒的な悲しみや怒り、強烈な痛みが湧き上がってきて、自制できず泣いてしまう」というものがあります。
外に出れば、悲しみを呼び起こす刺激はそこら中にあるので、多くの親はその痛みや、泣いてしまう状況を回避するために引きこもりがちになります。引きこもる期間は人それぞれに違いますが、周囲が思うような数週〜月単位ではなく、半年、年単位になる方が多い印象です。
すなわち、子供を亡くした親は、それまで所属していたコミュニティーの場や人間関係を維持することが困難になり、子供だけではなく、その人のもつ「社会性(友人、近所の人との付き合い、元々の役割や職業)」「居場所」を失うことも多いのです。
1人で、家族のみで、子供を亡くした悲しみに向き合うことはとても難しいことです。夫婦それぞれでもグリーフへの対処法は異なるので、そこで食い違いが生じ、夫婦関係に亀裂が入るケースも珍しくありません。
孤立した親にとって、同じような体験をした当事者同士が集まる自助グループは、大きな支えになります。自助グループでは、それぞれの体験や感情を、互いに否定・批判・評価することなく、互いに聴き合う(話せない方は聴くだけでもよい)活動が行われています。
仲間に出会うことで、苦しんでいるのは自分だけではない、と気付けます。
先を歩く仲間の姿を実際に見て、経験談を聞くことは、もしかしたら私も何とか生きていけるのかもしれない、という小さな希望につながっていくでしょう。
参考文献)
遺族のセルフヘルプ・グループの実際と課題 ―子どもを亡くした母親の語りより―
龍谷大学短期大学部 黒川 雅代子 人間福祉学研究 第3巻第1号 2010. 11
北海道で活動している自助グループの情報です(2018年10月現在)。
全国にも、様々な形の自助・サポートグループ、遺族会があります。
*関西遺族会ネットワーク
*天使がくれた出会いネットワーク
*天使ママ・パパのためのグリーフ サポート情報局
海外の当事者団体サイト
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